【2026年最新】会員登録と継続につながる「占い」|1,020人調査とメーカー・ECの会員施策事例3選

会員を増やしたい。そう考えてクーポンやプレゼント企画を用意しても、登録フォームまで来た人の多くは入力の途中で離脱し、値引き目当てで登録した会員はキャンペーンが終われば戻ってこない。メーカーのCRM・会員施策担当者にとって、顧客が会員であり続けたいと思える理由づくりは長年の課題です。

その理由を用意するのに有効な選択肢の1つが、占い・診断コンテンツです。会員登録の障壁になり得る個人情報の入力が、占いでは「結果を受け取るために入れるもの」に変わります

cocoloni(ココロニ)が実施した2026年の調査では、占いを見るきっかけとして最も多く選ばれたのが「行動のヒントを得るため(48.7%)」、占いで知りたいことの最多が「自分自身のこと(70.5%)」という結果が出ています(いずれも複数回答)。占いは気分転換や暇つぶしの手段であると同時に、日々の判断のヒントとしても使われている現状です。だからこそ、そこで求められる個人情報の入力は、企業に情報を渡す手続きではなく、自分の結果を得るための一手間になり得ます。

本記事では、cocoloniが全国の20〜50代男女1,020人に実施した調査から、消費者が占いに何を求めているかを整理したうえで、メーカー・ECが実際に占いをどう会員施策に組み込んでいるかを事例で見ていきます。

なお、本調査は占いの利用実態を聞いたもので、会員登録率や継続率を測ったものではありません。

cocoloniは、ザッパラスグループとして20年以上にわたり、占い・診断コンテンツを提供してきた企業です。300種類以上の占い・診断コンテンツと300名を超える占い師のネットワークをもち、延べ500社以上の企業へご支援してきました。メーカー・ECの占い活用企画を、企画内容と導入目的つきでまとめた事例集もございますので、ぜひご覧ください。

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メーカー・ECで会員化が進まないときに考えられる3つの壁

メーカー・ECの会員施策がうまくいかないときに考えられる原因は、おおむね以下の3つに整理できます。

壁1:登録する動機が値引きしかない

クーポンやプレゼントを入口にすると、獲得数は積みやすい一方で、値引きに反応した層が中心になり、その後の育成に手間がかかりがちです。かといって、ブランドへの共感だけで登録してもらうのは簡単ではありません。

本来ほしいのは、登録ボタンを押す瞬間に「これがあるから会員になる」と思ってもらえる材料です。値引きはその点で即効性がありますが、同じ条件を出し続けなければ効果が続きません。

かといって値引き以外の特典を新しく用意するとなると、企画も制作も自社で抱えることになります。ここで手が止まり、結局はまた次のキャンペーンを打つ、という繰り返しになりがちです。

壁2:聞くほど離脱する、登録フォームのジレンマ

会員データは後から使うことを考えれば多いほどよいと思われがちですが、入力項目が増えるほどフォームの完了率は下がるといわれています。この二律背反が、会員化を阻む壁です。

ここで効いてくるのは、項目の数そのものよりも「なぜそれを聞くのか」が伝わっているかどうかです。例えば生年月日は、入力そのものは数秒で終わる手軽な項目ですが、登録フォームに並んでいると「なぜ教える必要があるのか」がわかりません。同じ1項目でも、入力する意味が示せているかどうかで受け止め方は変わります。

聞けば離脱が増え、聞かなければ後の施策が打てない。多くの担当者がこの二択で止まっていますが、本当に必要なのは、聞く理由をユーザー側に用意することといえます。

壁3:会員でいてもらう理由を、出し続けられない

登録してもらう理由は、登録の瞬間に一度届けば、その役目を果たします。しかし会員でい続けてもらうには、その理由を毎月・毎週と途切れずに出し続けなければなりません。

新商品やキャンペーンがない月には、担当者の手元には会員に届けるネタがあまりありません。会員側から見れば、わざわざWebサイトを訪れる理由がないということです。こうして会員サイトは「買うときだけ来る場所」になっていきます。

開封もクリックもない会員への配信を絞ること自体は、メッセージの到達率を守るうえで正しい運用です。ただし配信を絞れば、その休眠層にこちらから届ける手段は、ほぼなくなります。

問題は、あらためて送る理由になるコンテンツが手元にないことです。購買サイクルの長い商材ほど、購買と購買のあいだの接点はゼロに近づいていきます。

調査データから読む:消費者は占いに何を求めているか

この3つの壁を、占いがどう越えるのか。その前に、そもそも消費者が占いに何を求めているのかを押さえておきましょう。

cocoloniが実施した「占いに関する意識・行動実態調査」から、4つの角度で見ていきます。

【調査概要】

  • 調査名:占いに関する意識・行動実態調査
  • 調査主体:株式会社cocoloni
  • 調査対象:全国の20〜50代男女1,020人(20代112人、30代284人、40代295人、50代329人)
  • 調査方法:クラウドソーシング「ランサーズ」を利用したオンラインアンケート調査
  • 調査時期:2026年4月27日〜5月17日

求めているのは「自分について知ること」と「次の行動のヒント」

占いで知りたいことの最多は「自分自身のこと」で70.5%。次いで「お金に関すること(49.7%)」、「将来のこと(35.4%)」、「人間関係に関すること(34.2%)」と続きます。一方、占いといえば連想されやすい「恋愛に関すること」は20.0%にとどまりました。

占いを見るきっかけも、最も多く選ばれたのは「行動のヒントを得るため(48.7%)」で、「気分転換のため(42.5%)」、「暇つぶし(37.9%)」が続きます。

これは複数回答であり、同じ人が娯楽と実用の両方を選んでいる場合もあります。娯楽として楽しむ人と並んで、自己理解や次の行動の判断材料として使う人がいる、と読むのが妥当です。

占いは、この「自分を知りたい」という欲求に応えるコンテンツだということです。

見る場所はWebサイトが6割強。会員サイトとの相性はよい

占いを見る媒体は「Webサイト」が62.2%で最多。次いで「雑誌・紙媒体(21.9%)」、「SNS(18.9%)」でした。

Webページ上で占いを見ることには、多くの人がすでに慣れているといえます。つまり、会員サイトやアプリに占いコンテンツを置く形は、消費者がふだんとっている行動と無理なく重なるということです。

ただし、Webで占いを見る習慣の受け皿は、すでに占い専門サイトが押さえています。裏を返せば、占いを読むという行動そのものは定着しているということ。あとは、その習慣を自社に引き寄せるだけの理由をつくれるかどうかです。

読んで終わらない。半数がラッキーアイテムを生活に取り入れている

占い後にとった具体的な行動では「ラッキーアイテムを取り入れた」が51.4%で最多、「買い物をした」も20.9%にのぼりました。

占いは読んで終わるコンテンツではなく、半数がラッキーアイテムという形で結果を自分の行動にもち込んでいるということです。5人に1人が買い物という行動まで挙げている点も見逃せません。

会員施策の観点で価値があるのは、この「自分ごとにしてもらえる」性質です。企業から届く情報は流し読みされがちですが、占いは自分の星座・自分の生年月日などという入口があるぶん、受け手が結果を自分に引き寄せて読みます。ラッキーアイテムやラッキーフードを商品と結びつけた企画が多いのは、この性質を活かすためです。

AI占いの経験は3人に1人。20代では半数前後がすでに試している

AI(ChatGPTなど)で占いをしたことが「ある」人は全体で33.9%。20代では男性56.4%、女性53.4%と半数前後にのぼりました。ただし、20代の回答者は112人と、50代の329人に比べて母数が小さいため、傾向として読むにとどめます。

50代(男性22.7%、女性24.8%)との開きは大きく、若い層ほどAIで占った経験のある人が多いことがうかがえます。

少なくとも、自分の情報を入れて自分向けの結果を受け取る体験に触れている人が、若い層ほど多いということです。同じ内容を全員に送るメールが読まれにくくなっている一方で、自発的な項目入力でパーソナライズが成立しやすい占いは、この形式に近いコンテンツだといえます。

その分、求められる水準は上がっています。無料で見られる占いが専門サイトにも汎用AIにもあるなかで選ばれるのは、「自社商品との連動」「監修者の明示」「会員限定」「ブランドの世界観に沿ったテキスト」といった、外部では成立しない要素をもつコンテンツです。

アンケート調査結果については、以下のページも参考にしてください。

【最新調査】占いに関する意識・行動実態調査2026について詳しく見る

なぜ占いが会員化につながるのか

ここからは、先ほどの3つの壁に占いがどう効くのかを、順に見ていきましょう。あわせて、商品への接続という4つ目の利点も挙げます。

壁1への答え:値引き以外の「会員になる理由」をつくれる

会員でなければ受け取れないコンテンツは、値引きに代わる登録の理由になり得ます。問題はその中身に需要があるかどうかですが、占いで知りたいことの最多が「自分自身のこと(70.5%)」だったように、消費者側にもともと需要のあるテーマです。

値引きとの違いは、配るほど利益が削られる性質がないことです。同じ企画を何人に見せても原価は変わらないため、「会員だけが受け取れるもの」を、収益を圧迫せずにもち続けられます。

そもそも値引きに戻ってしまうのは、代わりに出せる中身を自社でつくる余力がないからでもあります。

占いコンテンツ制作支援を受ける場合、占術ロジック(生年月日や星座から結果を導く計算部分)と鑑定テキスト(結果として表示される文章)は外部から提供を受けることが可能です。社内で判断するのは、掲載する場所、自社商品との結びつけ方、表現ルールと表示の実装といった要素になります。ゼロから企画と制作を抱えるのに比べれば、値引き以外の「会員だけが受け取れるもの」をずっと現実的な工数でもてる、ということになります。

壁2への答え:個人情報の入力が、ユーザー自身の目的に紐づく

同じ個人情報を聞くのでも、登録フォームの必須欄に並んでいるのと、占いの入口に置かれているのとでは、ユーザーから見た意味がまったく違います。前者は企業が使うために差し出す情報ですが、後者は自分の結果を受け取るために入れる情報です。

この違いを生んでいるのは、見返りがその場にあるかどうかです。通常、フォームに入力して返ってくるのは「登録が完了しました」という表示だけで、そのとき手に入るものはありません。一方、占いは入力した瞬間に自分向けの結果が返ってくるため、渡した情報の対価がその場で成立するぶん、入力の心理的なコストが下がります。

また、説明が要らないことも効いています。

よく見る占いの最多は「星座占い」で72.0%。誕生日から結果が出る仕組みは広く知られているため、「なぜ生年月日が必要なのか」をわざわざ注記する必要がありません。フォームの但し書きで利用目的を説明しても納得は得にくいものですが、占いではその説明自体が不要になります。

そしてもう1つ、占いは聞くタイミングをずらせます。登録フォームは最小項目にとどめて先に登録を完了させ、個人情報は会員サイト内の占いで取得する。同じ項目でも、聞く場所を変えるだけで受け取られ方が変わります。

ここで一点、割り切りが必要です。後から取る設計では、占いに触れた会員の分しか個人情報が埋まりません。裏を返せば、個人情報が入っている会員は関与度が高い層とも読めるため、その前提で配信設計を組むのが現実的です。

壁2で挙げた「聞けば離脱が増え、聞かなければ後の施策が打てない」というジレンマは、聞く場所を変えることで解ける場合があります。ただし、実際にフォームの完了率が変わるかどうかは、自社での検証事項です。

壁3への答え:更新の「ネタ切れ」が起きない

占いのもう1つの特徴は、更新に理由がいらないことです。新商品や季節の話題がなくても日付が変われば中身が入れ替わるため、新商品の発売がない月でも会員に届けるネタが切れません。

しかも、取得した個人情報がそのまま出し分けに使えます。セグメント(属性で分けた配信グループ)ごとに中身を作り分けようとすると制作の手間が跳ね上がりますが、占いは星座なら12通り、九星なら9通りといった分岐をあらかじめ用意する形なので、1回の制作で「自分向けの結果」を全会員に返せます。会員データをもて余さずに済む形です。

ただし、更新頻度がそのまま再訪頻度になるわけではありません。更新は再訪の上限を決めるだけで、実際に戻ってくるかは告知導線と中身で決まります。日次更新を選ぶなら、日次で告知できる導線(メール・LINE・アプリ通知)があるかを先に確認してください。導線がないまま更新だけ続けると、運用コストだけが残ります。

さらに:押しつけ感なく商品に接続できる

占いをどの程度信じるかという質問では、「参考程度にする」が61.9%で最多。「とても信じる」「まあまあ信じる」の合計は30.7%でした。

多くの人は占いを絶対視せず、参考情報として受け取っているということです。信じ込ませることを前提に設計する必要はない、と考えてよいでしょう。

この「参考程度」という受け取られ方は、会員施策にとってはむしろ好都合です。強く売り込まれると身構える相手にも、占いという形なら商品を差し出せます。占いに担わせるのは、その場で買わせることではなく、毎月の接点を保ちながら商品への動線を自然に引くことです。

その動線の引き方には順序があります。「今週のラッキーフードは○○」という伝え方は、広告ではなく参考情報の形をとれます。ただし、占術と関係なく毎回自社商品が指定されていれば、読者はすぐに販促だと気づくでしょう。

占術ロジックで導かれた結果(色・方位・時間帯など)を先に固定し、そこに当てはまる商品を後から寄せる。後述する森永製菓の「おやつ占い」の事例も、時間帯別の運勢と吉方位という占術側の結果が先にあり、その時間に食べるとよいおやつとして商品が置かれる構造です。この順序を守れているかどうかが、参考情報として受け取られるか、販促と見なされるかの分かれ目です。

占いを活用したメーカー・EC・D2Cの会員施策の導入事例3選

ここでは、cocoloniが占いコンテンツの提供に携わった事例から、占いを会員基盤の中に組み込んでいる3社を紹介します。食品メーカー、アパレルEC、D2C(自社ECで顧客に直接販売する形態)のサブスクと業態は異なりますが、占いを単発の話題づくりで終わらせず、会員基盤の中に置いている点は共通しています。

ただし、打ち手は同じではありません。事例集の導入目的と実装から読み取れる特徴を挙げると、森永製菓は「会員限定」という置き方、ストライプインターナショナルは「毎月更新+商品接続」という回し方、Spartyは「選ぶだけで参加できる」形式に、それぞれ特徴があります。

1. 森永製菓株式会社「おやつ占い」:会員限定にして、コンテンツ自体を登録理由にする

森永製菓株式会社のファンサイト「エンゼルPLUS」で提供されている『おやつ占い』は、会員限定の占いコンテンツです。時間帯別の運勢と吉方位に加えて、その時間に食べるとよい「ラッキーおやつ」を提示します。

ラッキーおやつは森永製菓の商品と連携しており、占いを見た流れがそのまま商品紹介につながります。導入目的は「商品・サービス訴求」「新規顧客獲得」「リピーター」で、会員限定コンテンツとすることで新規会員の獲得を狙った設計です。

注目したいのは、会員限定という置き方です。無料で見られる占いが多いなかで「ここでしか見られない」形にする——コンテンツ自体を登録理由に据える設計思想が読み取れます。

2. 株式会社ストライプインターナショナル「STRIPE CLUB 星座占い」:毎月更新で、セール以外の再訪理由をつくる

STRIPE CLUB 星座占い』は、株式会社ストライプインターナショナルが運営するファッション通販サイト「STRIPE CLUB」の、毎月更新のオリジナル占いです。今月の運勢とラッキーカラーを表示し、星座ごとのラッキーカラーから通販サイトのアイテムをおすすめする流れになっています。

導入目的は、「商品・サービス訴求」「リピーター」「認知拡大」「新規顧客獲得」「ブランディング」「SNSネタ」「PV獲得」です。

ECの会員はセールの時期に訪問が集中しがちですが、毎月必ず中身が変わる占いは、その谷間を埋める打ち手として読めます。

また、切り口にラッキーカラーを選んでいる点も実務的です。色は商品と結びつけやすく、占術で導かれた星座別のカラーに対して、その月に推したいアイテムを当てにいけます。

3. 株式会社Sparty「MEDULLA」内コンテンツ「草花から導かれる今月の運勢」:既存メディアに参加型の接点を差し込む

草花から導かれる今月の運勢』は、株式会社Spartyのパーソナライズヘアケアサービス「MEDULLA」に掲載されている占いコンテンツです。

導入目的は「顧客満足」「リピーター」「PV獲得」。3つの草花や果実から1つを選び、そのときの心理診断から運勢を占う形式で、有名占い師が携わったオリジナルテキストで構成されています。

ポイントは、新しい接点をゼロから立ち上げるのではなく、既存のオウンドメディアの中に参加型コンテンツを差し込んでいる点です。3つの草花・果実から直感で1つを選ぶだけなので、占いに馴染みのない読者でも取り組みやすく、「1人ひとりに合わせる」というMEDULLAの世界観とも矛盾しません。

オウンドメディアをすでにもっている企業が、その資産を使って接点を増やす形式例として参照できる事例です。

【早見表】会員化の課題別・よく採用される占い施策タイプ

自社の課題に照らして、どのタイプが近いかを確認してみてください。

会員化の課題よく採用される占い施策タイプ向いている企業
新規会員が増えない会員限定占い(会員サイト・アプリに設置、毎日〜毎週更新)会員サイトをもつ食品・日用品メーカー
購買者を会員化できないクローズド占い(商品同梱のコードから専用サイトへ、期間限定)限定商品・ギフト商材を扱うメーカー
会員が休眠する毎週・毎月更新の運勢(会員サイト/メルマガ/LINE)ECをもつメーカー
ECへ送客できないラッキーアイテム連動(占い結果から商品ページへ、毎月更新)商品点数の多いメーカー
定期購買が続かない診断型・心理テスト型(会員向けマガジン/毎月更新)サブスク・定期便をもつメーカー
新規の接点が増やせない診断+結果シェアのキャンペーン型(Webサイト/SNS/期間限定)認知を広げたいブランド

導入したら最初に見る指標も、課題ごとに変わります。新規会員が増えないなら占いページ経由の登録率、会員が休眠するなら休眠会員(商材の購買サイクルに応じて90日など基準を決める)の再訪率、ECへ送客できないなら結果ページから商品ページへのクリック率などが挙げられます。

ここを先に決めておくと、公開後の振り返りがぶれません。

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メーカーの会員施策に占いを組み込むときの3つのポイント

占いコンテンツを活用するうえでは、主に指標、更新体制、データの取り方が重要なポイントです。この3つを企画と同時に決めておくと、公開後の手戻りが減ります。

KPI(成果を測る指標)と検証設計を、公開前に決める

登録数だけを追うと、占いを入口に集めた会員が本当に動いているかが見えません。最低限、獲得(登録数・フォーム完了率)、定着(占い接触者の月次再訪率)、貢献(結果ページから商品ページへのクリック率、購買率)の3階層に分けて見る必要があります。

そのうえで、稟議を通しやすいのは、比較設計を組んでおくことです。同時期に登録した会員を「占い接触あり/なし」で分け、3ヶ月後・6ヶ月後の継続率と購買金額を比べる。ただし、占いに接触する会員はもともと関与度が高い層に偏るため、この差をそのまま占いの効果とは読めません。

そこで、会員全体をランダムに分けて占いへの導線を出し分ける、あるいは設置前後の同一セグメントで比べるなど、比較の条件を先に決めておくと、公開後の説明が通しやすくなります。

更新頻度と運用体制を先に決める

毎日更新するのか、月1回でよいのか。ここを決めないまま作ると、公開後に更新が止まって逆効果になります。

毎日・毎週といった高頻度で更新するなら、占術ロジックと鑑定テキストをAPI(外部のシステムから占い結果を自動で受け取る仕組み)で受け取る形が現実的です。日付や生年月日に応じた結果を自動で返せるため、更新のたびの入稿作業が要りません。

一方、ブランドの世界観や商品に合わせた文言にしたい場合は、オリジナル制作という選択肢があります。月1回程度の更新であれば、オリジナルテキストで回している例もあります。

頻度を上げるほど制作と確認の工数が積み上がるため、「どこまで自社らしさを出すか」と「どの頻度で更新するか」はセットで決めることが重要です。実際には両方を組み合わせる形が多く、森永製菓の「おやつ占い」も、占いAPIとオリジナルテキストの両方が使われています。

提供形態によって自社側の実装量は変わります。埋め込みで済む場合もあれば、会員IDと連携させるなら開発が必要になる場合もあるため、どの形をとるかは情報システム部門と企画段階で握っておくと安全です。

個人情報は「取り方」と「使い道」をセットで設計する

会員登録フォームは短いほど完了率が上がるといわれている一方、後から属性を聞き直すのは難しい。この矛盾を解くのが、登録後に取得する設計です。

例えば、登録時は最小項目にとどめ、生年月日は会員サイト内の占いコンテンツで「結果を見るために入力してもらう」。同じ項目でも、フォームの必須欄として聞かれるのと、自分の結果を得るために入れるのとでは、ユーザーの受け止め方は変わります。

ここで決めておきたいのが、どこまで情報を取るかです。原則、12星座占いで使うのは生まれた月日だけで、生まれた年は使いません。年代別の出し分けまで見据えるなら、生年も扱う占術を選ぶ必要があります。取りたいデータから占術を逆算しておくと、後から「年が取れていない」となりません。

また、順序を間違えないよう注意しましょう。占い結果の提供だけを利用目的として取得した個人情報を、後からメール配信やセグメント分析に使う場合、当初の目的と関連性が認められる範囲かどうかが論点になります。範囲を超えると判断されれば、本人の同意を取り直す必要があります。

そのため、企画段階で「占い結果の提供」に加えて「会員向け情報配信」「属性に応じたおすすめ商品の案内」まで利用目的に含めて特定し、プライバシーポリシーに反映したうえで取得しておくことが重要です。すでに取得済みの会員データを使う場合は、通知・公表や同意取得の要否も変わるため、占いの企画書と利用目的の改定案は法務と同時に回すのが安全といえます。

まとめ:占いは「会員になる理由」と「戻ってくる理由」を同時につくれる形式

cocoloniの調査結果からいえる「占い」の特徴は、以下のとおりです。

  • 娯楽としての利用と並んで、自己理解や次の行動の判断材料として使われている
  • Webで占いを見る習慣は定着しており、会員サイトやアプリに置く形は消費者の行動と重なる
  • 占い後に「ラッキーアイテムを取り入れた」人が51.4%にのぼり、読んで終わらないコンテンツになっている

この3点が示しているのは、個人情報を入力する理由と、もう一度サイトを開く理由を、同じ1つのコンテンツで用意できるということです。会員化で分断されがちな「獲得」と「継続」に、1つの施策で同時に手を打てるといえます。

まずは近い形の事例を見て、自社ならどの局面に置くかの当たりをつけるところから始めましょう。事例集には、本記事で紹介した3社を含むメーカー・EC・メディアの導入事例を、企画内容と導入目的つきでまとめています。

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