
ファッション通販サイトに毎月の星座占いを置く、自社メディアの運勢からラッキーカラーで商品を案内する、干支にあわせた診断とプレゼントキャンペーンを組み合わせる。占い・診断コンテンツは、こうした形でアパレル・ファッションの企業に導入されています。
アパレルの会員施策では、登録の数を増やす打ち手と、登録した人にもう一度アプリやWebサイトを開いてもらう打ち手を、多くの場合それぞれ別に用意するものです。占い・診断コンテンツは、結果が定期的に切り替わり、そこに色やアイテムという具体が入っているので、1つの企画でどちらにも使えます。
本記事では、cocoloni(ココロニ)が実施した自社調査の結果をもとに、占い・診断がアパレル・ファッションの会員化につながる理由をまとめました。あわせて、導入事例3社と施策タイプの早見表、企画を進める前に決めておきたい3つのポイントまでまとめています。
ザッパラスグループのcocoloniは、20年以上にわたり企業向けの占い・診断コンテンツを企画・制作してきました。実際の企画をまとめた事例集もご用意していますので、ぜひご覧ください。
まず、占いが実際にどう見られているのかを、消費者側の数字で確かめておきましょう。ここでは、cocoloniが実施した「占いに関する意識・行動実態調査」の結果を使います。2026年4月27日から5月17日に、全国の20〜50代男女1,020人に対し、オンラインアンケートを実施しました。
見ていくのは3つで、占いに向けられている関心、占いを見るきっかけ、占いの後にとった行動です。アパレルの会員施策に置き換えると、登録の理由をどこに置くか、どのような中身なら日常のなかで開いてもらえるか、結果から商品へどう案内するか、を考えるときの材料になります。
なお、本調査は占いの利用実態を聞いたものです。また、回答者はクラウドソーシングの登録者で、人口構成に合わせた割付やウェイト調整をしていないため、全体の数値は40〜50代の傾向を強めに反映しています。10代は調査の対象外です。

占いに向けられている関心で最も多いのは「自分自身のこと」で、70.5%でした。次いで、「お金に関すること」49.7%、「将来のこと」35.4%が並びますが、自分に向けた結果を受け取ることへの関心が、これだけの規模であるといえます。
上位に並ぶのは、いずれも自分の身の回りに関する内容でした。

気分転換や暇つぶしといった娯楽的な目的だけでなく、行動のヒントを得るために見る人も多くいました。
企画を考えるうえで見ておきたいのは、どの動機も日常のなかにあるという点です。何か大きな出来事があったときに見るのではなく、気分を切り替えたいとき、次にどうするか迷ったとき、手が空いたときに見られています。
結果が定期的に切り替わる形のコンテンツと噛み合うのは、この点です。

半数が、結果を読んで終わりにせず、自分の行動に取り入れたと答えている状態です。回答者の約2割は、占いの後の行動として買い物を挙げています。
さらに、同じ行動を女性の年代別に見ると、「ラッキーアイテムを取り入れた」と答えた割合は20代女性43.8%、30代女性62.0%でした(2026年実施・株式会社cocoloni調べ・オンラインアンケート調査、回答者1,020人)。
ここまでの3つを並べて読むと、関心は自分自身のことに向いていて、日常のなかで見られていて、結果は行動として持ち帰られている、という3つの事実が確認できます。この3つを、アパレルの会員施策のどこに当てられるのかを、次の章で見ていきます。
調査結果の全体は、以下のページで紹介していますので、こちらも参考にしてください。

アパレルは、気に入ったブランドを繰り返し買うことの多い商材です。だからこそ会員施策は、登録の数を積み上げるところで止まらず、買う予定がない時期にも開いてもらえる接点をつくるところまで見ておきたいものです。
以下で、占い・診断がアパレルの会員化につながる理由を解説していきます。
会員を増やす打ち手は、多くの場合、クーポンや初回割引が中心になりやすいものです。価格で興味をもってもらった相手には、次も価格で声をかけることになりやすく、配信の中身も似通いやすくなります。
占い・診断コンテンツは、クーポンや割引とは異なる会員獲得のきっかけになります。毎週・毎月の運勢やラッキーカラーなど、自分に関係するコンテンツを継続して楽しめること自体が、会員になるメリットになるためです。
前章で見たとおり、占いで知りたい内容として「自分自身のこと」を70.5%が挙げていました。登録の先に置く中身が、その人自身に向けたものになるという点が、この型の要点です。
告知の切り口も変わり、「今なら○%オフ」の代わりに、「今月のあなたの色がわかる」という誘い方ができます。値引きの案内と並べて出すことも可能です。
一般に、アパレルの買い物はシーズンの立ち上がりとセール期に集まりやすいとされています。その間は、会員に向けて出せる新しい話題が少なくなり、開く理由も薄くなりやすい期間ができます。ここが会員施策の実務上の論点です。
手がかりになるのは、占いを見るきっかけです。前章で見たとおり、行動のヒントを得るためが48.7%、気分転換が42.5%、暇つぶしが37.9%でした。
いずれも、買い物をする予定があるかどうかとは関係なく起きる動機です。買い物の話題が途切れる時期でも、開く理由をつくれるのはこのためです。
その理由を続けて出せるのが、結果が切り替わる形のコンテンツになります。占い・診断コンテンツは、企画の枠を一度つくれば、中身だけが週替わり、月替わりで入れ替わっていく形にできます。
占い・診断は、結果を「あなたはこういうタイプです」「あなたへのおすすめはこれです」という形式で返します。診断を楽しんでもらうだけでなく、その次に何を見ればよいのかまで書ける形です。
アパレルと噛み合うのは、結果に色やアイテムを入れられるという点です。
なかでもラッキーカラーは、「青が出た人にはおすすめの青のアイテムを並べる」などといった形で、結果ページの次に商品ページを置けるため、そのまま商品を提案する条件として使えます。特に、サイズや形で迷いが起きやすい商材では、色という切り口が、選ぶ前の入口として働くこともあります。
ポイントは、商品のカラー展開にあわせて結果の色を設計することです。色は誰でも自分の結果として受け取れるので、迷っている人にも渡しやすい条件になります。
前章で見たとおり、占い後にとった具体的な行動として「ラッキーアイテムを取り入れた」を51.4%、「買い物をした」を20.9%が挙げていました。結果の中に具体的な内容が入っていれば、読んだ人の手元に次にすることが1つ残る、という設計が可能です。
ここからは、実際にアパレル・ファッションの企業に導入された3つの企画を見ていきます。株式会社デイトナ・インターナショナルは「診断への参加から接点をつくる型」、株式会社ストライプインターナショナルは「買う場所の中に常設で置く型」、株式会社ワコールは「自社メディアから商品まで案内する型」です。
3社に共通しているのは、わずかな入力で結果が返る形になっていること、結果の中に色やアイテムという具体的な内容が入っていることです。自社の施策に取り入れるときは、登録前の人にも見せる企画にするか、登録した人だけに見せる企画にするかを先に決めると、置き場所も自然に絞られてきます。
ここでは各社の成果ではなく、企画の設計に注目して読み解いています。

『開運卯診断』は、干支の「卯」をイメージしたオリジナル診断企画です。設問に答えることで、性格タイプに加え開運アイテムやラッキーパーソンがわかります。診断をしてくれた人に対しては、オンライン鑑定のプレゼントキャンペーンを実施しました。
この設計を会員化に活かすなら、まず設問と選択肢の作り方から決めます。知りたいことを、結果に返ってくる形に置き換えて聞くのがこの型の要点です。
例えば、どんな服を好むかを知りたいとします。「よく買うカテゴリはどれですか」と直接聞くと、答える側にはアンケートに見えます。
同じことを「休日の朝、最初にしたいことは?」と聞き、選択肢を「気になっていた店に行く」「家でゆっくり過ごす」「予定を詰めて出かける」と並べる。答えによってタイプが変わり、おすすめされるアイテムも変わります。
答える側には診断として成立し、企画側は答えに応じて見せるアイテムを変えられます。



『STRIPE CLUB 星座占い』は、ファッション通販サイト「STRIPE CLUB」のオリジナル占いです。今月の運勢とラッキーカラーを表示し、星座ごとの「ラッキーカラー」から通販サイトのアイテムをおすすめする形になっています。月替わりで結果が変わることによって、Webサイトへの訪問を習慣にする設計です。
こちらは、生年月日を入力する形ではなく、12星座の中から自分の星座を選ぶ形になっています。選んだ先で、その月の運勢とラッキーカラー、対応するアイテムを見られる形です。
この設計を会員化に活かすなら、置き場所の効き方から考えましょう。買う場所の中に置くと、開いた流れがそのまま商品ページにつながります。さらに会員サイトの中に置く形にすれば、ログインした先に月替わりで変わる中身がある状態をつくれます。
まだ登録していない人から見ると、これは登録すると毎月受け取れるものがある、ということです。買い物のついでに登録をお願いする形に加えて、会員登録を促す材料をコンテンツの側にももてます。



自社メディア「WACOAL BODY BOOK」に、今月の運勢を月替わりのコンテンツとして掲載している企画です。運勢にあわせたラッキーカラーを切り口に、関連商品のレコメンド導線と連携した内容を展開しています。
星座ごとに総合運、恋愛・対人運、美容・健康運とラッキーカラーを掲載し、その色の説明の後に商品ページへのリンクと、同系色で絞ったアイテム一覧へのリンクを並べています。閲覧に会員登録は必要なく、ページの下部にはメールマガジン登録の案内も置かれている状態です。
この設計を会員化に活かすなら、まず誰に見せるかを決めます。会員でない人も読める場所に置くと、登録する前の接点をつくることが可能です。その先にメールマガジンや会員登録の入口を置くことで、コンテンツが登録の理由になります。
商品の案内は、1点ずつのおすすめと、同系色の一覧の両方を置くのが要点です。おすすめされた1点が好みに合わなかった場合にも、行き先が残るためです。
cocoloniがこれまでに手がけた企画事例をもとに、3社の型に、LINEとアプリに置く型を加えて、会員化の課題から引ける形に整理しました。自社がどこから始められそうかの当たりをつけるためにお使いください。
| 会員化の課題 | おすすめの占い施策タイプ(接続先・結果の切り替わり) | 向いている企業 |
|---|---|---|
| 登録や友だち追加の入口をつくりたい | 設問回答型の診断+プレゼントキャンペーン(自社Webサイトの特設ページ+SNS/期間限定) | アパレルブランド |
| メッセージアプリを開く習慣をつくりたい | 星座と気分を選ぶ占い(LINE公式アカウントのリッチメニュー/週替わり) | LINEの友だちが多いブランド |
| 通販サイトへの再訪を習慣にしたい | 星座別の運勢とラッキーカラー(自社の通販サイト・会員サイト/月替わり) | 自社ECをもつアパレル |
| 自社メディアから商品まで案内したい | ラッキーカラーから商品を紹介する占い(オウンドメディア→自社EC/月替わり) | 自社メディアをもつメーカー |
| アプリの起動を習慣にしたい | 日替わりの運勢(自社アプリ/日替わり) | 自社アプリをもつブランド |
各施策の具体的な導入事例は、以下の事例集にまとめています。
実際に進めるうえで、先に決めておきたいことを3つ挙げます。スムーズな企画制作にお役立てください。
会員化の企画では、この置き方で入口の広さと登録の理由が変わります。
誰でも見られる形にすると、登録していない人にもコンテンツが届きます。結果を見た先に登録や友だち追加の入口を置けるので、コンテンツが登録のきっかけになる形です。オウンドメディアや自社Webサイトの特設ページがこれにあたります。
一方、会員限定にすると、登録の理由をコンテンツ側にもたせられます。登録フォームの手前で「会員になるとお得です」と伝える代わりに、登録すると何が受け取れるのかを具体的に書けるためです。
もっとも、この2つは択一ではありません。診断そのものは誰でも参加できる形にして、結果の続きや翌月分を会員限定にする、という組み合わせもできます。
占い・診断コンテンツの作り方については、以下の記事もご覧ください。
見る指標は、参加した人数だけに絞らないほうが判断しやすくなります。会員施策として見るのであれば、診断の完了数、会員登録や友だち追加の数、結果ページから商品ページへ進んだ数、企画を経由した人の購入率の4つを並べておくと、どこで人が止まっているのかがわかります。
そのうえで、その数字を何と見比べるかを、あらかじめ決めておいてください。「占い企画を経由した人の購入率」と「サイト全体の購入率」を並べる、という形です。
何と見比べるかを決めていないと、出てきた数字が良いのか悪いのかを判断できないまま、集計だけが手元に残ります。
企画のURLに計測パラメータ(どこから来た訪問かを判別するためにURLへ付ける印)を付けておくと、後から切り分けることが可能です。プレゼントキャンペーンと組み合わせる場合は、診断からの参加とSNSからの参加を分けて数えられるようにしておくと、次の企画の判断材料になります。
占いの種類によって、入力が必要な情報は異なります。生年月日といった個人情報を受け取る場合には、そこで得た情報を他の会員施策に活用するか、あらかじめ決めておくことが重要です。
このとき、受け取る場合は、利用目的をどう定めるかを先に整理しておくと、後の手戻りが少なくなります。当初の利用目的に含めていない使い方は、目的外利用(取得時に伝えた目的の範囲を超えた利用)に該当する場合があります。
企画の中で選んでもらった項目も、一人ひとりとひもづけて保存するのであれば、生年月日と同じ扱いです。
なお、cocoloniでは、API提供やコンテンツ提供のみであれば、基本的に個人情報を保持していません。サイト運営や会員情報の管理まで含めてご支援する場合は、個人情報の取り扱いを含めた体制で個別に設計いたします。
アパレルは、気に入ったブランドを繰り返し買うことの多い商材です。会員施策は、登録の数を積み上げるところで止まらず、買う予定がない時期にも開いてもらえる接点をつくるところまで見ておきたいものです。
占い・診断コンテンツは、その接点に置く中身の1つになります。置き場所も、結果が切り替わる間隔も、参加のときに渡してもらう情報の範囲も、企画ごとに選べる部分です。まずは、自社の会員の接点がどこにあるかと、登録前の人にも見せるかどうかから考えてみてください。
事例集には、アパレル・小売・メーカーの企画を、タイトルと概要、導入目的までまとめています。自社に近い形を探すところから始めていただけます。
cocoloniなら、施策に最適化した診断コンテンツを設計・制作できます。
占いコンテンツの知見を活かし、ユーザーの心を掴む体験を設計します。
【診断コンテンツ例】
3つの質問に答えて、あなたのタイプを見つけよう