
企画にもう一押しを足したいとき、商品そのものに手を加えずに用意できる中身は、そう多くありません。パッケージや価格、告知の見せ方を変える以外の選択肢を探すと、候補は限られてきます。
その候補の1つが、占い・診断コンテンツです。ただ、社内で「なぜ占いなのか」と聞かれたときに、手元に説明の材料がないという場面も多いのではないでしょうか。
cocoloni(ココロニ)は、全国の20〜50代男女1,020人に、占いに関する意識と行動を聞きました。占いを見るきっかけとして「行動のヒントを得るため」を挙げた人は48.7%。次いで「気分転換のため」42.5%、「暇つぶし」37.9%が続きます。
また、占い後にとった具体的な行動としては「ラッキーアイテムを取り入れた」51.4%、「買い物をした」20.9%が挙げられました。いずれも複数回答で、占いをほとんど見ない人も含む回答者全体に対する割合です。
楽しみとして占いを見る人と並んで、次にどう動くかのヒントとして見る人がいます。そして占いの結果は、読んで終わらずに行動として持ち帰られています。
商品に手を加えずに用意できて、消費者の側に見る動機があって、次の行動につながる。占い・診断コンテンツは、この3つを同時に満たせる選択肢です。
本記事では、この調査結果をもとに、占いが企画に使える理由、実際の導入事例3選、目的別の施策タイプ早見表、企画に組み込むときのポイントを順にご紹介します。
cocoloni(ザッパラスグループ)は、20年以上にわたり、企業向けの占い・診断コンテンツを企画・制作しています。メーカー、商業施設、メディアなど各社の企画概要をまとめた事例集もご用意しておりますので、ぜひご活用ください。
消費側の実態を、調査結果から見ていきます。
cocoloniは、2026年4月27日から5月17日にかけて、全国の20〜50代男女1,020人を対象に「占いに関する意識・行動実態調査」を実施しました。クラウドソーシング「ランサーズ」を利用したオンラインアンケート調査です。
本調査は消費者の占いの利用実態を聞いたもので、企業が実施した占い企画の効果や、導入企業の売上を測ったものではありません。
また、回答者はクラウドソーシングの登録者で、20〜50代に限られます。人口構成に合わせた割付をしていないため、全体の数値は40〜50代の傾向を強めに反映します。
10代は調査の対象外です。若年層を視野に入れる場合は、この点を前提としてお読みください。
占いを見るきっかけを聞いた設問(複数回答)の結果は、以下のとおりです。

最も多く選ばれたのは「行動のヒントを得るため」48.7%で、次いで「気分転換のため」42.5%、「暇つぶし」37.9%となりました。
3つの数値は近く、複数回答であるため、同じ人が複数を選んでいます。娯楽として楽しむ人と並んで、判断材料として占いを使う人がいる、という読み方です。
「行動のヒント」という選択肢が半数近くに選ばれている背景には、占いコンテンツの形式が関与しています。星座や生年月日といったわずかな入力に対して、「あなたはこういう人です」「今日はこうするとよいでしょう」という形で答えが返ってくるため、読んだ人の手元には次の一手の候補が残ります。
占いで知りたい内容を聞いた設問(複数回答)の結果は、以下のとおりです。

自分自身のことが7割で最も多く、お金に関することが約半数で続きます。関心は恋愛だけでなく、生活全般に広がっています。
占いに答えを求める場面は、恋愛や季節のイベントに限られていません。お金の使い方、将来の計画、周囲との関わりといった領域にも、占いに手がかりを求める人がいます。
占い後にとった具体的な行動を聞いた設問(複数回答)の結果は、以下のとおりです。

半数が「ラッキーアイテムを取り入れた」を、約2割が「買い物をした」を、占いの後にとった行動として挙げています。ラッキーアイテムを取り入れる行動には、手持ちの物を選び直すことから新しく買うことまで幅があります。
共通しているのは、結果を読んだ人が自分の側で何かを変えている点です。読んで終わるコンテンツではなく、結果が自分の行動に持ち込まれていることがわかります。
独自調査の結果は、以下の記事でも詳しく紹介しています。あわせて参考にしてください。

ここからは企業の側から見ます。占いを見るきっかけ、占いで知りたい内容、占いの後にとった行動。この3つの調査結果に、それぞれ対応する形で整理します。
占いは、結果に「今日はこうするとよい」という形の答えを含められるコンテンツです。企業の側から見ると、その答えの中に自社の文脈を置けます。
例えば、ラッキーカラーを商品のカラー展開に対応させる。ラッキーフードを扱っている商品に結びつける。ラッキーアイテムを売り場の提案につなげる。占いの結果として提示される項目は、そのまま商品や売り場の入口になります。
この形が企画として動かしやすいのは、商品そのものに手を加える必要がないためです。商品開発の予定とは切り離して用意でき、季節や商戦の時期に合わせて中身だけを差し替えられます。
入力の形は企画によって違い、星座を選んでもらう形、数問の質問に答えてもらう形、入力情報なしで成立する形もあります。共通しているのは、参加するときの入力の負担が小さいことです。
cocoloniでは、300人を超える占い師のネットワークから企画に合う監修者を選び、テキストの執筆から監修、表現面の調整まで一貫して対応しています。企画と制作を自社だけで抱え込まずに進められます。
占いで知りたい内容として最も多く挙げられたのは「自分自身のこと」で70.5%でした。占いは「あなたはこういう人です」という形式で答えを返すことが可能なため、関心の向きとコンテンツの形式が合っています。
関心は「お金に関すること」49.7%、「将来のこと」35.4%にも広がっています。企画を組むときの切り口も、恋愛や季節のイベントに限られません。
同じ調査で、占いをどの程度信じるかを聞いた設問(単一回答)では、「参考程度にする」が61.9%でした。「とても信じる」5.5%と「まあまあ信じる」25.2%を合わせた、積極的に信じる層は30.7%です。

受け取り方に幅があることは、企画にとって扱いやすい条件です。強く売り込まれると身構える相手にも、占いという形なら商品を差し出せます。読む側は自分に合った距離で受け取れるでしょう。
占いの後にとった行動として、ラッキーアイテムや買い物が挙げられていました。企画の側で決められるのは、結果ページの次に何を置くかです。
商品ページ、店舗の案内、クーポン、会員登録、応募フォーム。どれを置くかで、企画が何につながるかが変わります。
結果に「今日やること」が書かれていれば、読んだ人の手元には具体的な次の行動が残ります。その行動の隣に自社の商品や売り場を置けるかどうかを、企画の設計で決めることが大切です。
ただし、この調査は占いが買い物の原因であることを示すものではありません。実際にどれだけ寄与したかは、企画のURLに計測パラメータ(どこから来た訪問かを判別するためにURLへ付ける印)を付けておけば、自社のデータで確かめられます。
占い・診断コンテンツの作り方については、以下の記事を参考にしてください。
実際に、cocoloniが占い・診断コンテンツの導入を支援した3社の企画を見ていきます。化粧品メーカー、放送局、出版社の3社です。
業種も設置場所も異なるため、規模や成果を比べるための並べ方ではありません。各社の成果ではなく、企画の設計に注目して読み解きます。
3社に共通しているのは、結果の中に、読んだ人が自分でできることが書かれている点です。
一方、違っているのは、そこへの近づき方です。1社目は入力で「今の自分」を選ばせ、2社目は結果の項目を増やして行動の粒度を上げ、3社目は起用したキャラクターの特徴から項目そのものを作っています。
もっとも、この3つは択一ではありません。入力を工夫しながら、結果の項目も自社向けに作る、という組み方もできます。自社ならどこから手を付けられそうか、という目で読んでみてください。

株式会社アルビオンは、「商品・サービス訴求」「認知拡大」「新規顧客獲得」「リピーター」「ブランディング」「SNSネタ」を目的に、LINE公式アカウントのリッチメニュー(LINEのトーク画面下部に常時表示されるメニュー)内にオリジナルの占い企画を設置しました。
星座と今日の気分を6色の中から選択すると今週の運勢が占える形とし、週替わりで結果が変わり、LINEアカウントへの訪問を習慣にしてもらう設計になっています。
ポイントは、すでにある接点の中に企画を置いた点です。新しくWebサイトを立てるのではなく、読者がいつも開いているトーク画面から、そのまま参加できる形にしました。
入力は星座と今日の気分の2つで、生年月日は求められません。星座だけであれば結果は12通りですが、そこに気分が加わることで、同じ星座の人にも違う結果を返せる設計にしました。

株式会社静岡朝日テレビは、「顧客満足」「リピーター」「PV獲得」を目的に、自社のWebメディア「LOOK」で『12星座占いランキング』を展開しました。既製の「今日の運勢」に、オリジナルの要素を追加した構成です。
総合運や恋愛運といった運勢に加えて、ラッキーアイテム、ラッキーカラー、ラッキーパーソン、ラッキーフード、ワンポイントアドバイスを並べました。日替わりで結果が変わり、検索からの流入を獲得しています。
結果の項目を増やすと、行動のヒントの粒度が上がります。総合運の星の数だけでは、その日に何をするかは決まりません。「今日のラッキーフード」まで書かれていれば、昼に何を食べるかという行動が1つ決まります。
検索から来た人が最初に触れる面になるため、自社Webサイトの入口としても機能します。

株式会社宝島社は、「新規顧客獲得」「リピーター」「PV獲得」を目的に、「オトナミューズ ウェブ」で『今日の運勢は?くまっちょの毎日占い』を展開しました。宝島社が主催するキャラクター公募賞「このキャラクターがすごい!」で大賞を受賞したキャラクター「くまっちょ」を起用したオリジナルの占いで、今日の運勢とともに「ラッキー筋肉」を紹介する構成です。
ポイントは、占いの項目そのものを、起用したキャラクターから作っている点です。キャラクターの「くまっちょ」は、顔はかわいいのに筋肉がムキムキという特徴をもっています。ラッキーカラーやラッキーフードは多くの占いにありますが、「ラッキー筋肉」はこのキャラクターがあってはじめて成立する項目です。
自社に置き換えて考えると、すでにもっているものがそのまま項目になり得ます。キャラクターがあればその特徴から、食品を扱っていればラッキーフード、衣料であればラッキーアイテムという形で項目を立てられます。
占いの型に自社を合わせるのではなく、自社の文脈から占いの項目を作る、という順序です。
▶ 参考:PR TIMES「~宝島社主催のキャラクター公募賞~ 『このキャラクターがすごい!』大賞受賞作品決定!」
自社にどの型が合いそうかを判断するために、目的別に整理しました。
| 目的 | 合う施策タイプ(設置場所/結果が変わる頻度) | 向いている企業 |
|---|---|---|
| すでにある会員・フォロワーとの接点を続けたい | メッセージアプリの公式アカウント内に設置/週替わり | 会員基盤や公式アカウントをもつ企業 |
| 検索からの流入を増やしたい | 自社Webサイト内の常設コンテンツ/日替わり | オウンドメディアや情報サイトを運営する企業 |
| キャラクターやブランドの世界観を生かしたい | キャラクターを起用したオリジナル占い(自社メディアや特設サイト)/日替わり | キャラクターや作品をもつ企業、出版社、メディア企業 |
| 結果から商品を提案したい | 結果ページから商品ページへ送る形/月替わり | ECや通販サイトをもつ企業 |
| 期間を区切って話題をつくりたい | キャンペーンサイトの診断企画/期間内は固定 | メーカー、商業施設 |
これは調査結果ではなく、cocoloniが受託した企画を目的別に整理したものです。各タイプの実際の企画は、コンテンツ事例集に掲載しています。
自社に近い型が見つかったら、実際の企画の中身をご確認ください。
社内で企画を進めるときに、先に決めておきたいことを3つ挙げます。
いずれも、占いのテキストや結果の中身ではなく、企画会議で決められることです。この3つが決まっていると、社内の確認や制作の依頼がそのまま進められます。
公開日から逆算すると、占いのテキストの執筆と監修、結果の出し分けの設計、デザインと実装、社内の法務や情報システム部門の確認、告知素材の準備という順に工程が並びます。
このうち、社内の日程だけでは動かせないものが「社内の確認」と「占い師のスケジュール」です。
個人情報を受け取る企画であれば、法務や情報システム部門の確認が入ります。また、監修者を立てる企画では、執筆と監修に必要な期間を先に押さえておく必要があります。
まず公開日を置き、この工程と社内の確認にかかる時間を、実際のカレンダーに当てはめてみてください。告知素材の準備も工程に入れておくと、公開と同時に読者へ知らせられます。
企画のURLに計測パラメータを付けておくと、そこを経由した訪問を後から見分けられます。
そのうえで、「占い企画を経由した人の購入率」と「サイト全体の購入率」を並べる、というように、その数字を何と見比べるかをあらかじめ決めておきましょう。これを決めずに集計だけを取ると、出てきた数字が良いのか悪いのかを判断できないまま、集計が手元に残ります。
見る指標は、参加した人数だけに絞らないほうが判断しやすくなります。結果ページから次のページへ進んだ割合、再訪した割合など、企画の目的に合わせて2つか3つを先に決めておくことが大切です。
占いの企画を進めるときに、社内で論点になりやすいのが個人情報の取り扱いです。
まず押さえておきたいのは、個人情報を受け取らずに成立する型があることです。星座を選んでもらう形や、数問の質問に答えてもらう形であれば、個人を特定する情報を受け取らずに企画が成り立ちます。
受け取る場合も、企画の形によって必要な粒度が変わります。
| 企画の形 | 受け取る情報 |
|---|---|
| 星座別に結果を出し分ける | 星座を選んでもらえば足りる(生年月日は不要) |
| 誕生月ごとの企画 | 月だけ |
| 生年月日を使う占い | 生年月日 |
| 年代によって訴求を変える | 生年まで |
占い結果の提供のために取得した生年月日を、後からメール配信やセグメント(属性で分けた配信グループ)分析へ転用することは、目的外利用(取得時に伝えた目的の範囲を超えた利用)にあたります。配信まで見込んでいる場合は、企画の段階で利用目的に含め、プライバシーポリシーを更新してから取得する、という順序になります。
cocoloniの独自調査(2026年)では、占いを見るきっかけとして「行動のヒントを得るため」を挙げた人が48.7%、占いで知りたい内容として「自分自身のこと」を挙げた人が70.5%、占い後にとった行動として「ラッキーアイテムを取り入れた」を挙げた人が51.4%でした。
楽しみとして占いを見る人と、次の一手のヒントとして見る人が、同時にいます。そして関心は自分自身のことに大きく向いていて、結果は読んだ後の行動にも持ち込まれています。
企画の側から見れば、商品に手を加えずに用意できて、消費者の側に見る動機があって、結果の中に自社の商品や売り場を置ける。占いを企画に使う意味は、この3つが同時に成り立つところにあります。
今回ご紹介した3社は、それぞれ入力の形、結果の項目、自社の文脈への合わせ方が違います。自社ならどの形から始められそうか、まずは事例をご覧いただきながら考えてみてください。
企画の形が決まっていない段階でも、お気軽にご相談いただけます。
cocoloniなら、施策に最適化した診断コンテンツを設計・制作できます。
占いコンテンツの知見を活かし、ユーザーの心を掴む体験を設計します。
【診断コンテンツ例】
3つの質問に答えて、あなたのタイプを見つけよう